軍事学入門と戦争概論についての論評

 まず、軍事学入門に関して書く。軍事学入門は、その名のとおり入門書としてはかなり良いものと思う。軍事に関して知りたい人はまずこれを読むと様々な文献が理解しやすくなると思う。軍事に関する理論からこの本は解説を始める。軍事力の概念などが丁寧に説明されており、読みやすい。第二章は軍事に関する歴史が簡単にこれも説明されている。戦略と戦術などいまいちわかっていない人にお勧めできる。続いて第二章。現代軍事力の態様である。陸、海、空、統連合作戦などに分けて分野ごとに、丁寧な解説がある。第四章現代の各種戦の態様。指揮統制組織と戦争、ミサイル戦、電子戦、NBC戦、平和維持活動など現代で代表的な戦闘の方法について解説がある。第五章、後方支援と軍事力、重要な兵站に関する内容である。最後は科学技術と軍事力。RMAなどの言及がある。これらの内容で本書は構成されている。
 総論として、この本は初心者に非常にやさしい構成になっている。軍事を理解している人でも読んでみると面白いはずである。


 2冊目。戦争概論。有名な戦略家ジョミニが記した著である。以前述べたが、余は世界史を詳しく勉強していない。本書は、そういう人でも先に巻末にある訳者解説を読むと時代背景が良く理解でき、概論を読む上でも大きく理解度が向上すると思う。余はこの事実に後で気づいたので、概論を先に読んだ。次回再読する機会が必ず生まれるのでそのときは、巻末を先に呼んでから読もうと思う。また、世界史に関する知識をどうにかして得ようと思っている。
 さて、戦争概論に対する感想である。最近軍事系の本を読んでいて、クラウゼヴィッツというジョミニに並ぶ戦略家の名前を見る。こちらの本は戦争論である。これは、近い機会に読もうと思っている。戦略概論はクラウゼヴィッツの戦争論に対する批判を含めている。それは概論を呼んでいて、ジョミニ自身がそのように述べている。戦争概論。内容は確かに戦争の概論といってよい内容が記載されている。軍事政策とはなにか、戦争とは何か、予備兵力の重要性。そんなことをこの本は再度提案してくれた。この本は18世紀に書かれたものである。その点、航空勢力など様々な近代的な事項に関する言及は当然無いが、陸軍戦術についてその時代の主力であったので、当たり前のように詳しく記載がある。攻撃戦闘の項目の戦闘隊形の図は唯一の図だと思うが、これは参考になるのではないか。あまりこのような戦闘隊形を表した文献に出会ったことが無いので、そう思うかもしれない。
 18世紀に書かれた文章であるが、そういう原典を読むことは重要だと思う。この本を読むと、ジョミニが優れた戦略家であったことが、今でも理解できると思う。


 コラム:軍事学入門と戦争概論についての論評
 著者:大宇宙拡大大帝国絶対永久皇帝大帝国大元帥★
 THE IMPERIAL BLACKEye 2005 2005.3.9

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