参謀本部と陸軍大学校

参謀本部と陸軍大学校 (講談社現代新書)

参謀本部と陸軍大学校 (講談社現代新書)

 印刷が終わってひと段落したら記載。
印刷作業は、2時に終了。それに関する記載を書いたので、これからコラムを書く。
 参謀本部陸軍大学校。この本を知ったのは読売新聞の広告欄のおかげである。話がずれるが、新聞に掲載されている本の広告は、新しい本や興味のある本を結構見つけることができるすばらしい部分である。他紙は知らないが、読売新聞は日曜日に読売本堂という本を6冊ほど紹介する週間の記事がある。それは、2週間置きになったあたしんちと同じく興味を持って見る部分である。その部分の切り抜きは多く、予算がほしい本の数に間に合わない状態である。
 さて、本題に戻る。この本を購入した理由は特に、参謀本部という記載があったからである。参謀とか参謀本部という概念は多くの媒体で紹介されたり、使われたりするが、その意味や内容がいまいちわかりにくい名称であった。帝国という言葉もそうであるが、定義を知らないものが乱立して使っている様子がある用語の一つといえると思う。参謀本部という用語を理解する助けになると感じて、この本を購入した。

第1章 山県有朋参謀本部
第2章 幻となった統合参謀本部
第3章 陸軍大学校とメッケル
第4章 参謀本部の初陣――日清戦争
第5章 問われた陸大の真価――日露戦争
第6章 衝撃と迷走――第一次世界大戦
第7章 石原莞爾の挫折――日中戦争
第8章 組織が生んだ狂気――大東亜戦争
引用元:amazon本書紹介ページ

当初この本は、購入後放置し、実に読破を試みたのは3ヶ月後である。しかし、今考えれば、なぜ購入時に読破しなかったのかと思う。特にこの本は、組織論について語っているのだが、政治と軍事の方針一致の重大性やそのための組織の様子を示してくれる。特に第二章、統合参謀本部の組織図。一部であったが、大帝国帝国軍の上級組織を変更させるほどの内容であった。従来の縦割りの参謀組織を改善し、各組織の統合をより図れるものに改変した。軍政組織も同じである。また、特に参謀本部は、各軍の参謀総長の出向位置が奇妙な状態であり、それを是正した。
 参謀本部という組織は、政治から軍事を遠ざけるために作られた統帥機関である。しかし、政治と軍事は方針として一致する政軍一致が国家の繁栄の為に又は、戦時などはより一層として必要である。参謀本部の設置は明治時代であったようでるが、戊辰戦争などの後のため、反政府勢力政治組織と軍事が結合し、反政府運動が恐れたのである。そのため、政治と軍事は分離し、政軍一致ができなくなってしまった。だが、この時期は非常に優秀な人材がいたことによって、それを何とか抑止できた時代だったそうだ。その結果が、日清、日露戦争の勝利といえると紹介している。
 だが、第二次世界大戦などは、筆者が優秀な人材としている人々が死去し、政治と軍事が分離して、それを結合させる魅力的な人材がいなくなってしまった。その結果、軍事が暴走し、政治を無視し、日本は敗北する。
 全体を通して、個人的にかなり面白かった文献である。特に、組織図が数点紹介されており、それもこの本の価値を高める点でもある。組織図が紹介される本は早々無いのである。できればどんどん増えてほしい。帝国の組織を考える上でも大きな影響を与えてくれた一冊である。
 コラム:参謀本部陸軍大学校を読んで
 著者:大宇宙拡大大帝国絶対永久皇帝大帝国大元帥★
 2005.3.11 THE IMPERIAL BLACKEye 2005

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