永遠平和のために (岩波文庫)
- 作者: カント,Immanuel Kant,宇都宮芳明
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1985/01/16
- メディア: 文庫
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実は読み終えたこちらをコラム的な書評として長文記載するつもりであったのだが、非常事態宣言に関するコラムで長々と書いたので、余り書く気がしないのが本音である。しかし、この本はかなり素晴らしい本であるので、紹介しておく。
大帝国も永遠平和を目指している。さらに、存在するかどうか不明な宇宙国家を統一するということも目指している。この本は、その目的と人類が希求している平和の達成に関しての助言が記載されている。
第一章 この章は、国家間の永遠平和のための予備条項を含む
第一条項 将来の戦争の種をひそかに保留して締結された平和条約は、決して平和条約を見なされてはならない。
第二条項 独立している国家(小国であろうと、大国であろうと、この場合問題ではない)も、継承、交換、買収、または贈与によって、他の国家がこれを習得できることがあってはならない。
第三条項 常備軍は、時とともに全廃されなければならない。
第四条項 国家の対外紛争にかんしては、いかなる国債も発行されてはならない。
第五条項 いかなる国家も、他の国家の体制や統治に暴力を持って干渉してはならない。
第六条項 いかなる国家も、他国のとの戦争において、将来の平和時における相互の信頼を不可能にしてしまうような行為をしてはならない。たとえば、暗殺者や毒殺者を雇ったり、降伏条約を破ったり、敵国内での裏切りをそそのかしたりすることが、これに当たる。
第二章 この章は永遠平和のための確定条項を含む
永遠平和のための第一確定条項 各国家における市民体制は共和的でなければならない。
永遠平和のための第二確定条項 国際法は、自由な諸国家の連合制度に基礎を置くべきである。
永遠平和のための第三確定条項 世界市民法は、普遍的な友好をもたらす諸条件の制限されてはならない。
(永遠平和のために より作成)
この中で特に目を張ったのだ、常備軍の全廃と共和制が必要であるの2点である。他のも目を張る部分はあるが、特にその2点は大帝国体制を考案する上でも大きな助言となった。大帝国の最終体制では、軍備は放棄する。それは大帝国がすべての宇宙を開拓し、外敵が存在しなくなり、必要がなくなるからである。また、国家間の争いは統一によって消滅し、警察権によって、治安維持されるのである。
共和制は大帝国の円滑な統治の観点から君主制との両立を認めるという前提の下導入が既に始まっている。