第72回実験空間創造学

 本日、金沢工業大学で実験空間創造学が開催された。実験空間創造学は、有名人や映画監督を直接呼んで、講話をするイベントである。ほんじつは、フジテレビプロデューサ、亀山千広氏と映画監督、本広克行氏である。両氏は、踊る大走捜査線を作った人である。
 5時から開催されたが、早めに大学に向かって友人と合流して待機することにした。今日は学友が思ったより参加していた。いつもは、余と友人のこばやしさんしか参加しないが、それ以外のメンバーがかなり居た。会場に入ると、BGMが聞える。毎回この実験空間創造学では関連したBGMが流される。今まで入った事がある創造学でも同様であった。捜査線は好きだが、そこまで注視していなかったので、曲名までは分からなかったが、どこで使われた曲であるかは大体分かった。
 5時になると音楽に合わせてまず司会者が登場。司会者の両氏の説明が行われる。後ろでは映画の予告編を使った両氏の紹介映像が流れた。これもいつもの創造学と同様である。こうして、第74回実験空間創造学メガヒット誕生の現場が始まる。
 以下は、両氏と司会の発言であるが、録音禁止のため手書きでメモした記録である。そのため、一部発言と異なる部分が存在すると思うが、筋としては間違いないと思う。

Q:工大祭についてどうおもいますか?

亀山氏:エネルギーを感じます。印象がすごいし、機械がすごい。僕たちより良い機械を使っている。

本広氏:よく学校祭に行きます。それに金沢は家内の地元でマイカルとかサティとか行きます。思いがけないところであっているかもしれません。

Q:(メモが汚すぎて読めない=暗くて書きにくかった。トークのピッチも早い)
 ここの質問では、本広氏と亀山氏の関係についてで、本広氏が亀山氏に映画に出演してもらっているかをなどを聞いている。

本広氏:色々と

亀山氏:色々と出ている。映画では、無線役をやったりと必ず出ている。

Q:監督にお願いして?

本広氏:作っているが、撮影になるとバックレルんです。

亀山氏:監督から設定を聞いた瞬間から、行きたくなくなる。

本広氏:トッキャンといいます。バックレルより酷い。突然キャンセルって感じです。

Q:ここには、色々な人が居て、プロデューサという仕事がよく分からないと思います、ちょっと説明してもらえますか

亀山氏:そうですね、わかりにくいとおもいます。100人居れば100人違います。監督は作品を作る仕事です。プロデューサーは作品を作るお金をつくたりします。作品の質を高める役目です。戦略は考えるが、戦術は考えません。サッカーが好きなんですが、サッカーに例えるとフィールドには絶対に入らない。5万人の観客が居るフィールドを作るが、選手は監督の指示で動く。結果勝負で観客を喜ばせる。作品の品質を管理するが、作品は作らない。

Q:映画とTVは違いますか

亀山氏:メディアが違うので確実に違います。TVは視聴率しかありません。放映された後に親戚や友人からしかその反響を聞けません。しかし、映画は劇場に行けば、観客の反応が見れます。お客に対するサービスが変わって来ます。

Q:では、試写会にはよくいかれるんですか

亀山氏:よく行きます。

Q:監督、TVと映画で違いはありますか

本広氏:最初は意識していたが、映画だからTVだからという意識は最近はしていない。映画でもTVで放送されます。映画でもTVでも面白くしています。

Q:いつから変わりましたか

本広氏:movie1がヒットしてから変わってきたと感じる。7月7日(同氏の映画作品)のときとは違いますね。

Q:7月7日はゆったりとしてますね

本広氏:映画を意識して、自分の物をだしました。

Q:お二人はいつからともに

亀山氏:踊るシリーズから。若手のいい人が居ないかを探していて、織田君(織田祐二氏)からの推薦もあって、今より太っていていた。もろオタクが来たった。ドワッいう感じででかかった。

Q:存在が?

亀山氏:でかい。

Q:どうなんですか

本広氏:でかくないとなめられますから

亀山氏:映画監督はでかい人がおおいです。黒澤さんもでかかった。(その他数例の映画監督が上がるが、記録できなかった。)でかい監督は、現場でもよく分かる。

Q:職種上必要ですか

本広氏:むりやり太らせています。

Q:(メモの字が荒くて読めない、おそらくこれだと思うが、次に亀山氏が答えているので確信できない。)それ以外に必要な要素は?

亀山氏:最初は、監督になりたかったが、自分より上の才能の人にあってしまう。自分はまよってできなかったが、まよわず完成させてしまう人が居る。その人は作家になりました。出たがりだったので、役者を次に目指しましたが、挫折した。どんどん挫折した。やーめたと思えば良いが、まだTVの業界に居たかった。自分が作ったものを見せれるのは、プロデューサーだと思った。きっかけのなったと思うのが、インベーダーゲーム。喫茶店においてあって、最高点を出すと一週間コーヒーがただになった。つよいやつがいて、そいつを誘ってやった。5000円もって、1000円ぐらいでまず1回目の最高点が出た。その日に最高点が更新できれば、2人分のコーヒーをただにすると店長と約束した。そして、2回目は2000円ぐらいで出た。その間、ヒマだったので僕は古本屋でヒマをつぶしていて、帰ってきたらできていた。金を渡すが、自分ではやらない。うそのようなはなしだけど実話です。プロデューサー的な経験でした。コーヒーがうまかったのではなく、学校をサボる間そこに居ただけです。彼に金を渡して、ゲームを自分ではしない。そういうのがプロデューサーです。

本広氏:僕が味付けをします。監督が味付けをプロデューサーに聞いても、にやにやしている。作る過程がおもしろいんだとおもいます。

亀山氏:僕が不安だったのは、TV。ロングバーケーションの次の作品であって、恋愛ものが安全だったが、刑事ものや組織的なものを描いた。そのとき、本広がいいものをつくってくれた。本広は、がんばってくれて、疲労で顔も腫れた。

本広氏(だと思う):2話(いかりや氏扮するわくさんが爆弾いすに座る事件)ぐらいのとき、15キロぐらい痩せて、必死だった。2話は忘れない、未だに傑作だと思う。

Q:自画自賛する監督は少ないですね。(富野御大は全否定派。)

本広氏:僕は自分が作ったものは全部ほめます。客が見て笑っていると泣き、泣いていると笑います。いやな監督です。

Q:いつごろから、踊るシリーズをここまで発展(交渉人と容疑者の映画の製作のこと)されようとおもったのですか

亀山氏:movie2をやっているときに、真下(ユースケ・サンタマリアの演じる役)が熱を帯びてきた。日本には居ない交渉人という役割をあたかもリアルティに演じた。踊るでは、リアルじぁないけどリアルティがあるものを作ってきた。真下がどう演じるかを期待していたら、うまく演じてくれて、movie2が全体で成功したらありえるよねと思った。ユースケは目が浮いていてそれが、いい感じだった。皆さんもテレビとかで見ているとき見てくれれば良いが、ユースケはしゃべっているとき目が浮いている。。

本広氏:演出しやすい人ですね。青島さんとかわくさんには、言いにくいことががつがつ言える。交渉人では一番やりたいことができた映画となりました。

亀山氏:この作品の魅力ってなんだろうか考える。ドラマから映画になることは考えてもいなかった。やってゆくうちにキャラが育っていた。movie1が公開されて、新年になった時に、本広氏と(聞き取れなかった)と私で飲みましたが、お通夜みたいだった。ヒットしすぎて管理できなかった。小学生やおばさんが見ていて、ハマったといっている。どの部分ではまったのかわからない。そのため5年かかった。(次の作品、movie2ができるまで)5年間のクルールダウンが必要だった。色々と検証もしなければならなかった。2ではみん主役的な構成になった。キャラが生きてきて、チームとしても出来上がった。キャラを引っ張ってきても行けると思った。1回TVに戻ろうかと思ったけど、パニックを描きたかったので、交渉人を作った。実は、TVに戻る設定で作っている。

Q:それぞれのキャラクター付けが細かく決められたんですか

本広氏:後付です。作りますけど、会議などで話があわせれるように軸は作ります。まずいですけど。よくファンから指摘されます。役者に結構アドリブを持たせています。フィンランド人の妻とかレインボー最中は役者が勝手に作ったものです。それにわれわれスタッフが全力でサポートしています。

亀山氏:スタッフの暴走です。特にかえる急便。

本広氏:かえる急便はも大発展するとは思っていませんでした。刑事ものなので、麻薬が送られてきたりするシーンもあります。そのときに、今ある運送会社を使うとスポンサー的に問題があります。そんなものはうちは運送しないと。交渉人のときも実物を使おうと東京メトロ(旧称:帝都高速度交通交営団)に掛け合いましたが、サリン事件がある中、それはまずいということになり、TTRにしました。これが使いやすいんです。キャストとの中でどんどん広がってゆく。

Q:ほかにこだわりはありますか

本広氏:役者さんも僕が許してしまうので色々やってしまう。カレーを食べながら会議をしたいとか言い出す。そうなると意地があるからカレーを集めて撮影を行った。そのやり取りが面白い。どかどかやっていく中、和気藹々(わきあいあい)としたものを作ってゆく。

Q:映画を作るときにこだわりはありますか、普段考えていらっしゃるんですか

本広氏:映画は作っているより見るのがすき。作るのはしんどい。普段は何も考えずに見まくる。見るのが好きで、ただそれが仕事になった。

Q:機械いじりがすきなんですか

本広氏:ソフトを作るのは、それなりのハードが必要です。やり尽くされているんですよ。映画は100年同じことをやっている。エーゼンシュタインのモンタージュ理論になぞっているだけ。いかにアレンジするか。アニメ的な要素を入れたものを実写で作る。なるべくハードを勉強する。仕組みが大好き。海外にも機材を探しに行きます。たとえば暗闇を取るとき、調べればそういうカメラがあることが分かります。

亀山氏:彼が、ナムという展示会で探してきた。それがあったので、交渉人をやろうということになった。交渉人の撮影は地下鉄を夜間3時間だけ借りてやった。照明の準備をしていたら、照明の準備だけで時間が終わっていた。この機材は、今のカメラに逆さにしてつけて使った。

本広氏:緊張するのがいい。いつ壊れるのかわからないって。

亀山氏:もしこれが壊れたが本国に問い合わせなければならない。プロデューサーは真っ青ですね。CGを駆使して、別のオタク監督、樋口(樋口真嗣ローレライの監督)が早稲田のコンピュータで(映画を)作った。ベースの合成を早稲田の授業でやってもらう。そして、クリエーターに渡す。これで、時間が削減でき、クォリティが高くなった。(交渉人でも)ミニチュアを作るときに学生に作ってもらった。

本広氏:学生は毎回居ます。われわれはインターンと呼んでいます。自分が向いているという人が残ります。けど、毎回大学は辞めるなといいます。親が学費を払っていますので。僕はとかく現場にいかなきゃとおもってます。大学は出ていないので、大学の4年は大事だと思います。帰りたいですね。帰れたら色々勉強したかったです。人間関係もつくってみたかったです。すべてが参考になります。この会場もトークシーンを作るとき参考にします。

Q:亀山さんは、大学に戻ったら何をしたいですか

亀山氏:いっぱいあります。監督と同じです。アイデアの宝庫です。大学時代は映画を軒並み見ました。ストーリーは忘れても絵だけは覚えているものがある。ここで言いたいですが、記録より記憶に残していることが役に立ちます。写真をとるとき、写真を撮ることより、写真を撮る位置にたったときが大切です。写真を帰ってきて見せて、相手が行きたがったら、プロデューサーになればいい。見せて話すならサラリーマンのなればいい。どれらけつらいかを説明して、相手が俺以上に泣いてくれたらよかったと思え。だだ残したこと言えば、同棲ですね。そうしたらロンバケロングバケーションの短縮)はうまくいった。同居と同棲の違いがよく分からなかった。経験したことがなかったので、色々とルールを作った。自分が経験したものや記憶したものを使っていきます。

本広氏:乗せられましたね。乗せるのがうまいんですよ。何で俺はしているんだろうと。そういう気持ちにさえるのです。

(ここで、予定された講話は終了し、質問に移る。)

Q:本広氏に、昔の作品(なんていっていたか忘れた。)プロデュースという仕事をやった感想をお願いします。。

本広氏:映画を作るだけではだめなんですよ。売っていかないと。やっていることは別に監督と変わりないですね。

亀山氏:もし僕と組んでいたら、作品のプロデュースは本広氏にやらせて、売り出しは、僕はやるよ。監督が3日間かけて雨の中つらい思いをして撮影したシーンを贅沢にばさばさと切ってゆく。優秀なプロデューサーとなれるが、その下の監督は難しい。優秀な監督が居るときは、プロデュースしないほうがいい。現場に僕がいかない理由はそれですよ。プロデューサーの喜びは、一番最初に見れる。そして、文句を言えることです。現場に行って、あいだ、あいだ見ているとあのシーンだったかと思うしね。

Q:両氏が両氏に向かって改善してほしいことは何ですか

本山氏:亀山さんは、極度の有言実行です。どんでもないこといって、スタッフを困らせる。今回はまだ言っていませんが。

亀山氏:あるとき、次回作は何だってマスコミに聞かれたときに、婚約者室井慎次と答えた。そしたら、口を聞いてくれなかった。本広はずるいんです。このずるさを直してほしいのではなく、皆さん習ってほしい。制作費をいつのまにか、8億、9億と吊り上げてゆく。どうすればいいといって、みんなにアイデアを出させて、やらせる。とにかくずるい。でもそれも大事。一人で全部考えてもだめなので。何か作りたいなら、第三者に見せてください。そのとき相手が、新しい反応を示したら、えっ!そういう考え方があったのかと思ってください。有言実行だけど、学生時代はそうすべき。仕事をすると相手からやれといわれる。そのプレッシャーがある。相手からより自分から言ったほうが楽。本広は学生時代から映画監督になりたいと言っている。言っていれば、君はそういうことに興味があるのかといわれる可能性がある。目標がなんであるかを言い付ける自由がまだある。僕の場合、確信犯だけどね。

Q:映画のコンセプトが警察の内部腐敗だったりしますけど、そういうコンセプトはどこから

亀山氏:踊るに関しては、まず刑事ものにしたい。ロンバケを終えて、自分が作りたいものを作りたいなと。織田君にやる気あると聞いたらあると。最初はアクションでピストルを持たせたかった。織田君好きだし。けど、やって色々と今までの作品とかぶった。そんな時始末書を書かされた。ロンバケはヒットしたけど、予算オーバした。ヒットしたのに何でといったら、それが「組織」だといわれた。そのとき、これだと思った。そもそも違ったものにしたかった。(ききとれなかった、一人の人名)が太陽にほえろを研究して、4つの禁止事項を作った。ひとつは、あだ名で呼ばない。ジーパンとかね。そして、犯人に感情移入しない。犯人の方がドラマがある。子供のころ虐待されてきたとか。張り込みや聞き込みをモンタージュしない。夕日の中刑事が走ったりしない。そしたら、警察内のコメディーになった。2話(わくさんが爆弾いすに座る回)を見ていけると思った。いかりやさんが、ただ座っていて周りが騒いでいるだけ。そんな中、すみれがレストランに今日はいけませんと何回も電話をかける。

Q:クライアントから要求が自分の作りたくなかったもの場合どうやって解決します

亀山氏:いっぱいあります。プロフェッショナルになるということは、自分の要求をとめなければならない。月9(月曜夜9時のドラマ放映枠、恋愛ものが多い)をやらなければならなったときはそうだった。人を認めていくようになってから、うまくいくようになっていった。最初にプランを立ててからうまくいった。たとえば本広を間時に決めたら、ロンバケを作ることはないし、作ってもほしくない。プロデューサーは苦手だったら、うまいやつを見つければよい。監督は違う気がするね。

本広氏:あんまりない。自分が作りたいものがないからだと思う。何かをサンプリングして、自分というミキサーを通して、変化させる。だからあまりストレスを感じない。

Q;今後は

亀山氏:フジで1月から有頂天ホテル(映画)を作ります。県庁の星(映画)、海猿2(映画)も作っています

本広氏:今は逃亡者きどまりょういちろう(漢字が分からない。容疑者室井慎次を見ていないので。)のプロデュース。12月9日にプレミアステージ(フジ番組)で見れる。交渉人の2ヶ月前の設定。(映画を見ていないのでまったく分からないのだが、室井にあの時はとか言う人だそうだ。その理由が描かれるもよう。)

Q:最後のひとこと

亀山氏:いっぱい見て、いっぱい吸収してほしい。社会に出ると、時間がなく、軸がずれてゆく。それからうどんという映画をつくります。(これが有言実行、本広氏はコケル)英語でUDONです。(会話によると讃岐うどんに関連した映画だそうだ。)カンヌを目指します。

本広氏:まだ脚本が出来ていません。

 以上が、今回開催された実験空間創造学の内容をメモから起こしたものである。今回は両氏のトークが早く、記録が間に合わなかった部分がある。あいまいな部分はこちらで省き、出来るだけ、こちらの改変を加えない方針でまとめた。そのため、一部意味が不明瞭な部分がある。その点は、手書きメモと記憶からという点を配慮してほしい。
参考BLOG:(koba news)http://prog.usamimi.info/blog/

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