インペリアル・アイデンティティの確立 〜世界共和国へを経た、大宇宙拡大大帝国の存在理由(レゾンデートル)〜

 
 先日歴史的名著に出会った。それは、岩波新書「世界共和国へ ―資本=ネーション=国家を超えて」である。現在はてなダイアリーのISBN表示システムが不備を来しているため、はてなのISBN記法を使って紹介する事が出来ないことが実に悔やまれる。
 この名著の存在を知ったのは、クローズアップ現代である。昨今新書と呼ばれる図書が人気を集めており、老舗出版社岩波書店の次世代への大作を特集からである。岩波新書は、この「世界共和国へ」で1001冊目の発行となる。それを記念して、デザインの刷新を試みた。伝統の岩波を継続するか、伝統を打ち破るかで分かれた議論は、伝統を重視することで決着した。そして、「世界共和国へ」は従来の岩波新書と同様に赤い表紙を持った新装版で出版されたのである。
 その番組を見て、まずやられたと感じた。S.ハンチントン氏の文明の衝突の日本重視版、「文明の衝突と21世紀の日本(集英社新書)」日本語訳を担当した鈴木主税氏があとがきで書いているやられたという感情と全く同等のものだと思う。氏は目眩に似た感覚を得たそうだ。
 「世界共和国へ」は、去る4月20日に発売された。そして、私はその内容を確認するために、書店に走るのであった。


 名著認定
 「世界共和国へ」は、交換様式、世界帝国、世界経済、世界共和国という章立てで構成されている。大宇宙拡大大帝国という永遠平和の実現と大宇宙の統一を目指す国家建国思想を掲げる人間として非常に興味深い内容であった。当然注目した場所は、世界帝国と世界共和国の章である。序を読み終えた私は先に結論を読み、世界帝国を読む。そして、今日序から終までを読んだのである。
 本書が名著と指定している理由は、私に多大なる影響を与えたことに起因する。現在認定されている名著は、「帝国の研究(名古屋大学出版)」、「永遠平和のために(岩波文庫青)」である。前者は学問的な帝国という単語の定義を紹介する本としては例のない本である。これ以上の帝国定義紹介書籍は存在しないと思う。後者は、大宇宙拡大大帝国の永遠平和の実現のために強く影響を受けた書である。
 そして、「世界共和国へ」も私に強く影響を与えた第三の書籍となった。その内容は、大宇宙拡大大帝国の存在理由である。


 インペリアル・アイデンティティの起源
 インペリアル・アイデンティティ。私が2006年3月に確立を目指したものである。「帝国の」と「自己同一性、自分が自分である証(はてなダイアリー キーワード アイデンティティより)」を合わせた造語である。今まで概念的に頭で創造してきたもので、明確に日本語訳をしたことが無い。横文字ではなく、論理的に説明すると、「帝国である証」である。即ち、大宇宙拡大大帝国が帝国である理由とは何か。を探求すること、確立させることである。
 元来大宇宙拡大大帝国の前進、BLACKEye帝国は私が童心の頃保有していた世界征服思想を実現するための組織であった。私が、高等教育を受けるまで、BLACKEye帝国という世界征服国家思想が私を支配していた。だが、世界征服の虚無性に気づく。世界征服をしたところで満たさせるものは、自己の欲求である。ただそれだけである。恐らく歴史に残るものは悪名であろう。
 義務教育を終え、一応教育基本法が目指す、道徳の完成した人間になった私は大幅に思想転換を行う。提案名称、BLACKEye民主共和国である。明文化した文章として公の場でこの名称を出すのはこれが初めてであろう。一時的にも大宇宙拡大大帝国の歴史は完全な共和制を導入した時代があった。
 だが、帝国宇宙軍最高司令長官と審議する中で、そして、私の中に存在する「帝国」という名称へのあこがれが再びBLACKEye帝国を復活させた。だが、BLACKEye帝国は廃止された。大宇宙の統一という無限規模の困難性を保有する目標を達成しようと志したからである。
 その時、BLACKEye帝国は、もうひとつの名称変更を経て、大宇宙拡大大帝国へ進化した。ちなみにもう一つの名称は、木星圏ガニメデ・カリストエウロパ及び小惑星国家間反地球共同連合体。通称木連への対抗意識と、太陽系規模に限定した統合思想から生まれたものであった。存知の人もいるかもしれないが、未曾有の国家名称であった「大宇宙太陽系木星圏、土星圏及び冥王星圏大移住民惑星・衛星国家郡中央直接統治大宇宙太陽系拡大大帝国」である。


 流され帝国
 大宇宙拡大大帝国が「帝国」という名称を持つのは、大宇宙拡大帝国が根底国家制度に「帝政」保有しているからというのが最も簡単な説明である。この帝政は、BLACKEye帝国の時代から継続してきた制度である。大帝国10年の歴史の中で、変化していない唯一の制度である。(よく例としてあげられる帝国宇宙軍は、建国思想当初から存在した組織ではない。)この帝政をなし崩し的に大宇宙拡大大帝国は現在まで継続してきた。
 だが、読書を続けていくうちに、帝政=専制政治では、大宇宙の統一は可能であっても、永遠平和の実現が不可能であり、何より自由主義、民主主義に反するのである。予想外と思われるかもしれないが、私は自由主義と民主主義を愛している。
 最も簡単な解決方法は、大宇宙拡大大帝国の根底国家制度「帝政」を放棄することである。しかしながら、これでは大宇宙の統一が危うい。また、自身の持つ「帝国」への愛着、帝国への探求こそ生涯をかける目標であるという運命から逃れることが出来なかった。その為、大宇宙拡大大帝国は、多くの一般思考の人々から「危うい」存在として見られ、大帝国の持つ非民主制から論破することが困難であったのだ。


 打開策としての大帝国特有制度
 上記の打開策として、発見された制度。忘れもしない2004年7月。金沢工業大学で生まれた制度。絶対大権対対立制度(発案当時、絶対大権三権対対立制度)である。簡単に説明すると、民主的選挙で選ばれた行政、立法、司法の責任者が、絶対権力を保有する絶対永久皇帝の権力発動を抑制できるというものである。これにより、民主的な制限を君主に課すことができるというものである。
 その後、国家権力監査制度という間接的な絶対永久皇帝の権力行使制度などが発案された。(国家権力監査制度は06年春審議で廃止が決定)
 そして、2006年2月5日に第三の独自の新制度を発案する。今まで非公開制度として公開を避けてきた最新の制度である。それを、「親政民政選択制度」と呼ぶ。親政と民政の定義が分かる人には直ぐに理解できると思うが、絶対永久皇帝の絶対権力発動によるドラスティックな改革を求める親政と厳粛に選挙された大統領、議員、裁判官が統治を行う民政を選択できるという制度である。現在制度はまだ未完成であり、2006年夏期集中審議で完成を目指す制度である。
 民主政治は、最悪の政治を生まないが、最良の政治をも生まない。対して、専制政治(哲人政治)は、最高の政治を生むが、最悪の政治をも生み出す危険性がある。この2つの対立する制度を混合させ、双方の利点を100%生かし切る体制が、「親政民政選択制度」である。


 2006年3月の苦悩
 これらの制度を生み出した大宇宙拡大大帝国であったが、未だ帝国という体制に不安を感じていた。その為、3月帰省時私は多くの時間を読書に当てた。「帝国の研究」を初めとする帝国という名称を冠する書籍を読み通し、エンパイアである理由を探し続けた。
 そのなかで、民主主義帝国という概念を見つけた。それを詳細に語る書は入手不能で、完全理解できていないが、民主主義と帝国の融合の可能性を私以外の人間から読み取ることに初めて成功した画期的事例であった。
 だが、結局3月集中読書でもインペリアル・アイデンティティを確立することは出来なかった。


 「世界共和国へ」
 世界共和国へには多くの付箋をつけた。プルードン氏が経済的格差を解消し、真の民主主義を確立すれば、国家は消滅するという一文。これは、大宇宙拡大大帝国が大宇宙を統一し、永遠平和を実現した後に起こることだと予想していた私の思想と適合した内容であった。(本書では、国家の自立性を考慮していないと批判しているが)

帝国=文明を選択的に受け入れることができるような地域です。(p35)

帝国が文明の保全が可能であると述べたもので、大宇宙拡大大帝国の目指すあらゆる文明の保存と永久発展が可能であるということを証明している。

ニーチェは「世界帝国への進行はつねにまた世界神への進行である。」といっています。(p91)

は、絶対永久皇帝を神格化し、大宇宙統一の象徴とする大宇宙拡大大帝国の方針を励ます内容であった。
 そして、終章「世界共和国」の内容と続く


 インペリアル・アイデンティティの確立
 遂に大宇宙拡大大帝国が帝国である証が確立したといえる。民主主義帝国という概念の研究調査が必要であるが、「世界共和国へ」の第三章、世界共和国を読んだことで認識した。帝国とはどこにも無い場所。ユートピアであるのだと。
 大宇宙拡大大帝国の本国(広報用ウェブサイト)には、大宇宙拡大大帝国の説明として、こう記載されている。

大宇宙拡大大帝国は、大宇宙の統一と永遠平和の実現を目指す理想国家建国計画に於ける建国予定国家の名称です。

既に、私はインペリアル・アイデンティティを確立していたようようだ。私にとって、帝国とはどこにもない場所。ユートピア、理想郷。桃源郷であるのだ。大宇宙拡大大帝国が帝国で無ければならない理由。それは、大宇宙拡大大帝国が理想だからである。大宇宙拡大大帝国が、私の理想である限り、大宇宙拡大大帝国は帝国であり続ける。
大宇宙拡大大帝国が帝国でなくなったとき、大宇宙拡大大帝国はイデアな美しさを失った存在と落ちてゆくだろう。
 そう考えると、BLACKEye共和国思想は理想を忘れた時期だったのだろうと振り返ることが出来るのである。


以上、インペリアル・アイデンティティ証明終わり。
(Q.E.D)

 
 コラム:インペリアル・アイデンティティの確立
 執筆:大宇宙拡大大帝国絶対永久皇帝大帝国大元帥★
 2006.4.24

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