日本国憲法施行60周年と我が国

 アブストラクト
 1946年11月3日公布され、1947年5月3日に施行された日本国憲法は、今年で施行60周年を迎えた。日本国憲法が公布施行された時代と比べ、年号が昭和から平成に変わったことをはじめ、戦後の混乱期から世界有数の経済大国へと成長した我が国は、国際的国内的に日本国憲法が想定した範囲を超えている現状があることは、広くが認めることであろう。
 最近時事を含め政治問題に言及を行わなかった筆者であるが、本日を記念し日本湖憲法に対する賛否と意見を述べる。


 キーワード
 日本国憲法


 1.はじめに 
 1947年5月3日に施行された日本国憲法は、本日60周年を迎えた。その間に我が国とそれを取り巻く国際状況は大きく変化した。代表的な事例は、我が国の経済的成長と冷戦体制の崩壊である。日本国憲法が制定されたその時は、我が国は戦争により国家基盤が疲弊の窮地にあり、その当時に我が国が世界第二位の経済国家となり、主要国として再び国際社会の舞台に復帰することが出来ることを多くの国民は予想できなかったと思う。そして、さらにソビエト社会主義共和国連邦の崩壊による冷戦体制崩壊は、国際政治が2国間から多角間へと進歩するきっかけとなり、我が国には国際貢献という新しい課題が国際社会から要求される時代となった。
 このほかにも多々事例があるが、この2つの国内的、国際的な変化が大きな転換期となり、日本国憲法に対する議論が国民の中で次第に開始される。その1つが憲法改正の議論である。
 
 2.憲法改正賛成派の意見
 憲法改正派の主張理由として、日本国憲法が連合国最高司令部(GHQ)による押し付けであること、憲法の条文が時代に対応できていないことを述べることが多い。敗戦直後の日本政府は、GHQからの命令により憲法改正に取り組んだが、GHQ側から政府草案は「不十分」とされ、GHQによる憲法草案が、国会にて議論されることになった。これが国会の議決を経て、公布施行され今日に日本国憲法に繋がった。確かに国会で草案について議論し議決することで、我が国の主権を行使しているように見えるが、当時の状況を考えれば、日本国家存亡の非常事態であり、GHQ側の草案を国会では、議決することしか出来なかった。
 憲法の条文、特に問題となるのが第9条である。日本国憲法第9条は、日本が端的にいうと戦争が出来ず、軍事力を保有することを禁ずる条文である。しかし、改憲派も大多数は日本国憲法第9条第1項については、改正を求める声は少ないようである。ここで改憲派が求めるものは、第2項の改正である。即ち、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」を指す。
 現在我が国は自衛隊という対外的にも国内的にも、陸海空その他の戦力を保有する。これについては、憲法解釈により第2項は「必要最低限度」であれば保有を認めるものと解釈されている。
 条文としてほかに問題になるものは、私学助成や時代により要求される「新しい権利」に対するものがある。これについては、省略したい。


 3.憲法改正反対派の意見
 憲法改正に反対する意見としては、憲法第9条を-憲法改正派の言うように-改正させないことが代表例である。憲法改正が行われる場合、ほぼ確実に第9条は改正されることが予想される。また、それを予想して憲法改正の反対行動が行われている。憲法の改正が日本国憲法第9条の改正反対と限定的に筆者も読み取ってしまう。
 日本国憲法改正により、憲法第9条が改正される可能性が高く、その場合、日本国は憲法第9条という世界遺産を失い、旧世紀の戦争が再び起こされるまたは、日本が戦争を実施する、戦争に巻き込まれるといったことを懸念するのである。


 4.筆者の見解
 筆者は基本的に憲法改正賛成派であるが、次の懸念がある。憲法は極めて危険なものであることである。憲法は、国家権力を抑止するものである。それを改正するということは、国家権力に対して正負どちらであれ影響を与えることになる。
 ゲームだから戦争をするが、現実に戦争をする気は無い。筆者は極めて死を恐れる存在であるのだ。ゲド戦記(映画版)という腐った映画の唯一の成果たる「永遠の命を求めるものは死を恐れるもの」なのだ。
 日本国憲法が現在発表されているような草案のように改定された場合、我が国が国際的に行うべき責務を果たすことが出来、同時に増加するであろう。また、GHQ押し付けの憲法から解放され、我が国は真の独立国として主権を回復できるだろう。
 それは、喜ばしく誇らしいことであり、世界に義務を果たすことになるが、今予測できない憲法改正後の我が国の存亡にどのような影響を与えるのか恐怖を感じる。

 参考文献
 日本国憲法
 

憲法とは何か (岩波新書)

憲法とは何か (岩波新書)

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