米政府公認 対テロ危機管理完全白書 The U.S.Goverment Guide to SURVIVING TERRORISM

米政府公認 対テロ危機管理完全白書

米政府公認 対テロ危機管理完全白書

 先日。とは言っても2週間前ぐらい前にamazonで注文した本である。万年時計でBGMとして使われているTHE SHIPPING NEWSのCDが洋楽であった為とほかのテロ対策の本が入手困難であった為に、2週間ほどの時間を要することになった。昼から夕方まで数学をやっていて、頭が飽きてきたので、文を読むことで転換することにし、購入した本の中から比較的短時間で読破できるこの米政府公認対テロ危機管理完全白書を読むことにした。
 この本、帯にテロ時代における自己防衛の為の手引書と記載がある。全体を読んでみて、確かにそう感じた。文字数も手ごろで、絵図もわかりやすい本で、内容のうち重要な部位はリストで書かれている。箇条書きで書かれている為に、読んでいて、本が伝えたい内容が良くわかる。
 敵に勝つには、まず敵を知ること。というように本書はまずテロの定義から解説が始まる。テロの定義である。米国国防省が定義しているテロリズムの定義がまず掲載されている。この定義はかなり的確で今まで聞いてきた定義の中で一番よい定義である。定義から始まり、テロの目的、テロの手段が紹介され、重要な点は箇条書きでリスト化されている。
 第一章、第二章の敵を知るから、第三章の防御の解説に繋がる。テロに対する備えについての解説である。テロを100%防ぐことは、テロの性格上非常に難しい。そのため、未然に備え、テロを回避する。テロに備えるという対策を危機管理の方法として指南してくれる。自宅のセキュリティーや非常持ち出し袋の中身について、解説をしてくれる。車に乗るときに爆弾を仕掛けれているかどうやって確認するかなど日本ではオーバーな例もあるが、外国の治安が悪いところやテロの対象と成っている人などは参考になるのではないだろうか。海外でのテロを避ける方策もリスト化され記載されているので、旅行前に読むとなにかとよいと思われる。
 第四章、テロにあったとき。テロに会うことは最も最悪のことであるが、その最悪に備える為の章である。核爆発から放火まで幅広い対策を掲載している。但し、核爆発となると、爆心地近くでは生存している可能性は低い。対策をする以前に死亡する可能性が高い。核爆発以外のテロ発生時の対策は実用的であると思う。わが国でも数年前に地下鉄毒ガス事件というテロが発生しており、この本に掲載されている対策などは役に立つ場面が完全には無いとは言い切れない。
 個人的に最も参考となったのが第五章、人質になった時。人質もテロの一種である。昨今イラクで人質事件がはやっているが、人質事件というのは世界中で発生しているテロである。我々日本人の記憶には、イラク人質事件が発生する前に大きな人質事件の記憶がある。在ペルー日本大使館人質事件である。我々日本人は世界的に見て裕福な部類に入る。即ち身代金要求で人質になる可能性がある。また、日本でも誘拐事件などは年に数回発生している。そういうときにどうすればいいか教えてくれる内容であった。
 全体を通して、常識的なことを記載している部分もあるが、あらゆるテロに対する対策を記載しており、一度目を通しておくと役に立つことがあるかもしれない。巻末には附録として、非常持ち出し袋チェックリストがある。地震や台風など災害が多いわが国では非常持ち出しは準備しておくべき存在である。自己防衛のための手引書である本書は、諸君らが危機の際に役立つはずである。

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