今年の年賀状を分析する

 概況(大まかなの状況)
 今年の年賀状は、帰省日が28日と“公式な”年賀状元旦到着保障日であり、遠地への送付に支障が出る恐れがあった。帰省日に直ちに第1案を奏上、翌日に第1案を基本とした改良案が完成し、2007年年賀状デザイン案が確定した。29日に遠地を優先して印刷し、即日発送を実施した。30日には、近隣地域分を発送し、予定した発送を終えた。
 発送枚数48枚である。なお、1名だけ現住所が不明だったため、相手からの到着を待って発送を決めた人物が居た。

 3年目の成果
 2007年の送付年賀状は、2005年から続くある伝統に則ったものである。それは、新年祝賀を明示的に指す言葉が無いことである。「謹賀新年」、「迎春」、「明けましておめでとうございます」がその対象である。05年は仏陀の言葉から、06年はカントの著書の名前から年賀状の文面を作った。本年も、それに倣い正月に届くべき手紙だと分かる裏面の表記は「2007年(平成十九年) 元旦」のみである。実際、平時にこの手紙を送った場合、只でさえ意図が理解しにくいため、十分な考察を受けずに廃棄される恐れが強いことは、承知している。その考察を支援するのがこのコラムである。

 文面の候補と使用された文面
 候補として挙がった有力な表現に「自由よ、永遠に」(Vフォー・ヴァンデッダ、キャッチコピー)、「銃で正義は倒せない」(同、Vの発言)があった。これらの表現が採用されなかった理由は、直接的要素が強すぎることである。あまりに全面に出した表現であり、考察の暇もない。前年の文面はこれに似る一文だが、それは前年における方針から決定されたものである。だが、本年における方針に違反するため、除外されたのである。
 07年の年賀状は、最低1文を超すものを目指そうと考えた。その結果、12月初旬より強い影響を与えた「金枝編」が注目を浴びた。そして、金枝編では、ある文章を既に注目し、暗黙に評価していた。

 ターナーの絵画「金枝」を知らないものがいるだろうか。一面の情景を覆っているのは黄金色に輝く想像力である。*1

 文面の意図
 金枝編の作者フレイザーは、絵画「金枝」から壮大なスケール(規模)を持つ研究へと発展させた。この一文から始まり、この一文へ帰着するが、その中身は凄まじいものがある。壮大な研究の第一文を飾ったのが、この引用文である。
 筆者の意図は、この文章を「想像力の再確認」に用いてもらうことである。筆者が新年になぜこのような文面の年賀状を送ったのか、一体どのような意図があるのか、それを考えて、黄金色に輝く想像力を見せてほしいのである。当然筆者にも想像力を働かせることが求められる。
 そして、また、本年における大帝国建国委員会活動に対しての表現である。6月に発生した非公開新制度を持って、ある分野への最低基礎条件は達成されたと考えている。これからは、新しい分野と基礎の完成が要求される。前者は、日々の思慮により、後者は大宇宙拡大大帝国の思想と理論を通して。
 07年の文面は、対外的には届いた個々人の想像力の強化に、対内的には筆者の想像への努力が表現されている。そう、このコラムで筆者が意図を公開する前に想像力を働かせて考えてほしかったのである。

*1: J.G.フレイザー:『初版金枝篇 上』,(筑摩書房,2006),pp19-20.

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