今日の風景

 トム・クランシー著、容赦なく
 ジャックライアンシリーズではないが、本作はジャックライアンシリーズの外伝といってよいだろう。後に上司となるジェイムズグリーアCIA情報担当副長官(次官の誤訳と言われている)やリッターCIA工作担当副長官の若き姿があり、そして何よりジョン・クラークの過去を主題とした作品である。ジョン・クラークはジャックライアンシリーズに欠かせないキャラクターで、レインボーシックスでも主人公として描かれている。
 本作と愛国者たちのゲームは今までBOOKOFFを探しても見つけることが出来なかった。後者はまだ手に入っていないのだが、本作を手に入れたので、読書を開始した。

 電脳コイル
 攻殻機動隊STANDALONCOMPLEXは、笑い男編(ComplexEpisodes)と単発編(A Stand Alone Episode)で構成されていた。笑い男編では継続した一本のストーリーが作り上げられ、単発編では笑い男編と関係ないが、攻殻機動隊のストーリーとして魅力あるタイトルがあった。笑い男編では、亜成虫の森などは読み取る情報が多く、笑い男事件への示唆などがある。単発編で目立つのは、アニメ史上見ても優秀な2話「暴走の証明」である。これらは、タイトル時に笑い男編は青で、単独話は緑で色分けされていた。
 何故このような前置きを書いたかというと、最近の電脳コイル(特に先週と今週)は区間として分けられることが出来るからである。アニメでは良く区間ごとで〜編という名が付けられる場合があり、ヴァンドレッドでは前半の一部があるキャラクターに主眼が置かれたことから、メイア編と呼ばれた。ガンダムでもその活動地域に主眼をおいて、地球編、宇宙編的な扱いが行われる。(ターンAガンダムの地球光、月光蝶という映画の分け方から)電脳コイルの今の状態をどのように分類するかは、今少し状況を静観する必要があるが、方向としては、大地や電波の2名(ヤサコの妹を含めても良いが)が、コイル探偵団と連携する様子が見られる。今後の展開としては、現在の3派が2つになり、イサコのグループが解体し、そして1つのグループに結合するのが安易なストーリー予測であろう。
 そもそも、映画やアニメといった作品に対して求めるのは、理想である。現実で出来ないことを作品の中で実現し、それを使って観客を魅せることが出来るものこそ、素晴らしい作品である。その場合、追加して50パーセントの正解と50パーセントの間違いが重要である。これは、予め作品の展開を予想し50パーセントが適合し、また作品を視聴した結果50パーセントが間違っていたということを表している。
 今回の電脳コイルの場合、予告編から予想できた内容とはかけ離れており、良い意味で我々観客を魅せてくれた。作品とは我々俗人程度が予測できる程度のものでは有ってはならない。本話では、攻殻機動隊SAC第9話的な手法を用い、ターン制ゲームの風景を表現する話となった。そもそもこのような展開になることや「神は死んだ」という哲学者ニーチェ的な玄人向けの情報など中々子ども向けの作品だと軽視することは出来ない。作品がとりわけ子ども向けであれば、視聴者は知識・経験が低く、適当に作れば良いという思考があるそうだが、富野御大を初め、優れた作品を作る人間は作品に対して責任を負い、適当な作品などこの世に出しては居ない。特に富野御大は子ども向けといって、手を抜くことはない。
 さて、本作のストーリーとはそれほど関係ない意見であったが、本作を視聴して、本作において1つだけ不満があったので、それを述べておこう。星間戦争(顔間戦争)の水準まで文明が発達し、固体ロケットによる撃ち合いが始まったが、個人的に宇宙艦隊を出現させて欲しかった。だが、あの30分という時間(OP,EDを除くと本編は平均23分ぐらいであると言われている)でそこまで話を拡大し、起承転結が実現できたかは難しい。その点を考えると、今回の判断は優れていたといえるだろう。


 某ゲーム(シヴィライゼーション4)とも思える一枚。だが、Civ4では市民のこれほど自由な会話はない。


 まさに、予想できなかった一枚である。

 画像はネットの海で拾う。

copy right 大宇宙拡大大帝国建国委員会 2004-2018.