こうして、Kは、さらに歩き続けた。しかし、道は、長かった。彼の歩いている道は、村の本道なのだが、城山には続いていなかった。ただ近づいていくだけで、近づいたかと思うと、まるでわざととように、まがってしまうのだ。そして、城は遠ざかるわけではなかったが、それ以上に近づきもしないのであった。*1

 

*1:カフカ『城』,前田敬作訳,1971,新潮文庫,p23.

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