ビューティフル・ドリーマー

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー [DVD]

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー [DVD]

 昨日に続き、本日も映画鑑賞を行った。うる星やつらの本編も面白いが、劇場版2作目のビューティフル・ドリーマーはシリーズ中最高の評価を得る作品である。1作目も押井守が監督を行っているが、一作目と同時期に公開された別の映画の影響などを受けて、押井守が、それらに勝つために作ったといわれている。1作目と比べても、その点は見受けられる。
 本作の評価すべき点は多いが、数点要点をあげておこう。まず、ストーリー。学園祭の準備前夜が無限に続くという構成、同じような日々が続く学校。現代のアニメではそれほど目ずらしくない構成かもしれないが、この構成を始めて作り出し、完成したストーリー、映画化したのは、この作品が初である。評価すべき点と共に、初めてこの映画が行った事項は他にもある。
 最も遅いオープニング。実写系の映画では、OPが無い作品の方が多い。だが、アニメ映画は基本的にOPを持っており、序章といえるプロローグなどが終わったあと、適時OPが挿入される。しかし、本作は最も遅い時期にOPのタイトルコールを行っている。むしろそれはEDと定義できるほど遅く。EDという認識でしか取れない時間帯である。
 音楽。名曲喫茶店のBGMを初めとする劇中のBGMが優れている。名曲喫茶店での対話シーンのBGMは今まで余が触れてきたBGMの中で最高級のものと言ってよい水準である。また、しのぶが登校する時に遭遇する風鈴売り。その時のBGMもこのなぞめいたストーリーをより引き立たせる好曲である。
 台詞。メガネの存在がこのうる星やつらを変えたという説がある。メガネは、押井守的な哲学的な台詞やマニア的な風格を出す人物である。メガネが夏の太陽が照る中、語る台詞は圧巻である。また、映画最終局面の台詞。あれは、うる星やつらの全てを語っている台詞である。

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