ダ・ヴィンチ・コード
自尊心
国家の品格という本がある。名称から私が直ぐにとりつきそうな本だが、購入は大分遅れた。そして本作の原作も購入は映画視聴が終わった今日の夜であった。ダ・ヴィンチ・コードが世界的大ヒット小説であることは、およそ半年前から知っていた。だが、あえて購入しなかった。
何故か。それは、売れているから、みんなが読んでいるから買うという行為が気にくわないからである。売れているから自分も購入しなければならない、みんな見ているから見なければならない、読まなければならないというのはあまり気にくわないのである。
だが、真剣になるほど強いものではないので、流れに乗った。
原作かサードパーティか
世の中の映画やアニメは原作を小説か漫画などの文学作品からによるものと企画委員会などが原作を作るという2パターンがある。世の中の多くの人は、原作小説を読んでから動画作品を見る方が多いと思うが、私の場合、まずサードパーティの映画やアニメなどの動くも、見せてくれるものから見る。
この理由は、まず文学作品に詳しくないことが挙がる。詳しくないので”はずれ”を避けるために原作になる小説や漫画を購入しないのである。また、あまりに種類が多すぎて対応出来ないという側面も存在する。
対して、サードパーティの映画などは一ヶ月に3作程度の公開で種類が少ない。アニメにしても今は新作が30作を超える量が放映されているが、少ない。さらに、サードパーティになる段階になると比較的情報量が増え、”評価”を行うことが容易になる。
殆ど全ての作品に対して原作かサードパーティか聞かれると、サードパーティの映画やアニメを重視する。但し、後日談や背景設定を理解するために一部重要作品は原作を購入する場合がある。
事前知識
ダ・ヴィンチ・コードにおける事前知識は、
- 世界で原作小説が大ヒット
- 最近文庫版が3部で発売した
- どうやらキリストに妻が居ることが問題(現実に独身かどうかは知らない)
- レオナルド・ダ・ビンチが関係する
- フランス大統領に頼み込んで本物のルーブル博物館で映画撮影した。
- トム・ハンクスとジャンレノが出演
- なんかミステリー
である。
本編論評
公式サイトも見ずに視聴した。その結果、一部キャラクターの役割に混乱した。特に最初に殺された人物が、ルーブル博物館館長設定だったことは後で同席していた友人に聞いて理解した。また、宗教や秘密結社の固有名詞が多く、どれがどれかよく理解出来なかった面もある。
本編はいささか長すぎる気がした。始まった後時計は一度も見なかったが、上映時間は165分だそうだ。主人公と女性の2人がフランスに住む英国紳士の元を訪ねたときは、視聴者説明を含めたかなりの台詞シーンがあり、いささか疲れた。これは、座席が指定席であり、さらにかなり前の席になり、首を上に向けなければならなかったということも原因の一つであろう。
駄作でもないが、最高の作品でもない。まあ、見る機会があれば見ておけばいいという程度に感じた。英国紳士が出現してからは、主人公らが探しているものが、”聖杯”と判明する。聖杯と聞いて、一気に某作品が頭をよぎった。その作品も聖杯の獲得を目指すもの達の物語である。
即ち、インディジョーンズ最後の聖戦である。この作品は、イエスキリストの血を受けた聖杯を探す物語で、聖杯を手に入れたものは永遠の命を得るという。その発見を阻止する聖十字協会とナチスドイツ、インディの3者が争う映画である。
ダ・ヴィンチ・コードでは、インディが主人公の博士と女性刑事。聖十字協会が聖杯を守る組織の守護者、キーパー。ナチスドイツが英国紳士らのグループである。このように見ると、ダ・ヴィンチ・コードは最後の聖戦と非常に類似して見えるのである。同席した友人も後半から最後の聖戦に見えたと述べていた。
だが、友人は最後の聖戦みたいに結末が超自然的なものに成らなかったので良かったと述べている。この点は同意する。最後まで現実的路線、見ているものにあり得るなという物語を見せていた。
生死を共にしてきた主人公の教授と女性警部はよくありがちな恋愛関係に発展するという安易な解決をしなかったし、”目的”の達成をもって、別々の道を歩み出したことも評価出来る。この点は原作の影響だろうと感じた。
まあ、気になった点といえば、主人公らを追う警察組織が間抜けすぎること。敵組織の規模や歴史が深いくせに少数精鋭で対抗してくる点、聖杯の守護者が全く守ってくれない点であろうか。この点はこの作品が銃撃アクション映画でない点から起因するものだと思うし、人によっては評価する点だと思う。
最後に映画ならではの、旧世紀の映像と現代の協会などを合成して雰囲気を出す手法は良かった。