表現の比較について

 状況設定と思われるもの 
 後方での爆発音があった。
 それを、聞いた個人の表現方法の違い。

小説
「後ろで大きな爆発音がした。俺は驚いて振り返った。」

ケータイ小説
「ドカーン!俺は振り返った。死んだ」

ラノベ
「背後から強烈な爆発音がしたので、俺はまためんどうなことになったなぁ、とか
そういや昼飯も食っていないなぁとか色々な思いを巡らせつつも振り返ることにしたのである。」


山田悠介
「後ろで大きな爆発音の音がした。俺はびっくりして驚いた。振り返った。」
佐藤藍子
「最初から爆発すると思っていました」
原辰徳
「(後ろで爆発があったことを)知らなかった。」
古館伊知郎
「仮に爆発があったとしても、何がいけないんですかねぇ?」
小倉智昭
「僕はねえ、これはいつか爆発するんじゃないかなと思ってたんだよねえ、デーブ」

ライブドア幹部
「(爆発があったことは)想定の範囲内

トム・クランシー
 「艦長、わたしは一九六九年のチョッパーに乗り組んでいました。」とソナー員長が言った。彼はあるディーゼル推進潜水艦の恐ろしい事故のことをいっているのだった。
「あの音はそうらしいな」と艦長は言った。いま彼は、ソナー・インプットから直接聞いていた。間違いない。餌(ペイト)2に海水がなだれ込んでいるのだ。バラスト・タンクに海水が充満する音が聞き取れた。それは、艦内のいくつもの区画に海水が侵入中であることをまぎれもなく語っていた。ずっと近いなら、命運尽きた艦内の男たちの叫び声が聞こえたかもしれない。ウッドは嬉しい気分などにはなれなかった。鳴りやまぬ海水のなだれ込む音がおそましかった。男たちが死んでゆく。ロシア人、彼の敵であるが、彼ににてもなくもいない人間である。ただ、してやれることは何一つない。
 餌(ペイト)1がまっしぐらに去ってゆくのが、ウッドにわかった。僚艦に起きたことなどに無頓着なのだった。
 トム・クランシーレッド・オクトーバーを追え』p325(文春文庫,1992)

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