エネルギー・環境フォーラムin金沢工業大学

 
 はじめに
 2007年11月27日火曜日、金沢工業大学にてエネルギー・環境フォーラムin金沢工業大学(以下「本フォーラム」という。)が開催された。本学では、しばしば外部向けの会議が開催されることがある。筆者も実験空間創造学を中心に積極的に足を運び、別の視点などに触れる良い機会だったと振り返ることが常であった。
 今回、エネルギーと環境を題するフォーラムが開催されることを11月上旬に知った。その時は態度を未定としていたが、なかなか無い機会なので、用事がないのであれば参加すべきであると考え、参加した。
 本フォーラムは、開会挨拶、基調講演、特別講演、パネルディスカッションから構成され、本記録もその順に行う。筆者の手書きメモの内容を元に、要旨として公開する。
 なお、12月末に北国新聞で本フォーラムについての記事が掲載されるようなので、正確な情報はそちらを参照していただけると良い。本建国記録は努めて正確な情報の発信を心がけているが、筆者メモのミス、抜け落ち(こちらは確実にある)があることは承知していただきたい。


 本フォーラム参加者割合の私見
 それほど参加者は居ないと予想し、開場10分後の13:10に会場入りしたが、既に5割以上の席が埋まっていた。後から判ったのだが、本フォーラムは実は学生向けだったようである。なぜか環境を題しながら、ロボットの実演が行われるという意味不明な構成が行われ、その関係から本学の機械工学科関係の3回生が強制参加させられていたことが5割以上の席を開場10分で埋めた背景にあるようだ。
 さらに、レポートも課されていたようで、筆者の周囲でレポートに取り組む姿が見られた。そして、これを裏付けるように、一体本フォーラムの趣旨とどのような関係があるのか全く判らないロボット実演が終わった後に行われたパネルディスカッションへの参加者は、最大充足率9割から一気に低下し、空席が目立つ充足率4割程度になったことからも判った。


 開会挨拶、中部経済産業局電力・ガス事業北陸支局電源開発調整官青山伸治氏の要旨(1331時から1335時まで)
 我が国を取り巻く問題として、環境とエネルギーがある。
 原油高は、エネルギー構造の変化が強い。
 我が国は、省エネの取り組みは世界的にも一番である。
 しかしながら、運輸、家庭での化石燃料使用増加が大きい現状がある。
 我が国の発展には、エネルギーと環境の立体的解決が不可欠である。
 当局では、環境をイノベーション(技術革新)の起爆剤として考えている。
 開催に辺り関係者に対して、お礼を申し上げます。
 

 基調講演「世界のエネルギー情勢」、大阪大学名誉教授宮崎慶次氏の要旨(1336時から1406時まで)
 
 レポートが課されているようだが、時間がないので出来るだけ走ります。資料を参照してください。
 一人あたりのエネルギー消費量(2004年)から、中国が3倍消費するようになると危険である。
 原油輸入価格が高騰しているが、1975年あたりは水よりも、牛乳よりも安かった。
 2005年までの原油高騰は中国の台頭だが、それ以後は投機や生産量の限界がある。
 原子力発電が原料費は一番安い。但し、資本費(固定資産など)が最も高い。
 資源埋蔵量的にはどれも厳しく、プルサーマル高速増殖炉を使えば原子力が圧倒的に優位である。
 21世紀も以前化石燃料の世紀であるが、先の見える(資源が無くなるのが判る)世紀である。
 温暖化、地球の周りの空気の温度が上昇することは事実である。
 現在のCO2濃度は、390ppmだと思う。化石燃料による影響である。
 SOx、NOxは我が国は非常に少なく、技術の高さが見られる。これらの技術の海外移転が環境問題の解決に有効であるが、民生技術のためODAで中国に提供した。ところが、この装置は高いのでそんな高いものを造るなら、もう一つプラントを造ってくれと言われた。その結果が、今年問題となった北京の状況である。それに、プラントをもう一つ造るのは、そちらの問題で(ODAを使ってまで)除去装置を付けるのは、日本の環境を守るためである。
 京都議定書は、1990年が基準であるが、これが問題である。欧州では体制変化があり、ちょっといじるだけで大分削減出来た。(旧ソ連等のおんぼろ時代遅れを壊して、1990年代レベルのものと置き換えるだけでという意味)日本は既にそれをオイルショック時に実施しており、既に最先端である。そのため、新しいものを新しくしても削減出来ない。
 原子力発電は、CO2を発電時に排出しない。
 原子力発電により、我が国の電力を全て火力で補ったと推定した場合の排出量7.43億トンを、原子力が2.16億トン削減している。その他発電でも削減できるが、億トン規模の削減が出来るのは原子力だけである。現在3.64億トンを火力によって(現実に)排出しているが、これを見ればどこが問題かすぐに判る。(火力の3.64億トンを原子力に置き換えれば良いということである。)
 新エネルギーについては、バイオマスは私見だがかなり重要だと思う。米をアルコール発酵するなど農業政策を協調して取り組む必要がある。
 太陽光発電は日独で多いが、発電量的に世界全体でも80万キロワット級原子力発電所1基にも満たない。使えるところには使うべきだが、抜本的解決策としては期待が薄い。(太陽光発電の未来は幻想である。)
 また、風力だがこれは独、西(スペイン)、米の順で、日本はかなり少ない。風が吹かないので、地理的要因が大きい。日本ではこれも期待が薄く、無理である。(風力発電の未来は幻想である。)
 燃料電池は、実はCO2が排出されるのだが、従来の発電方式と比べれば少ないので、クリーンといえる。実用化には価格を押させるために、触媒の非金属化にかかっている。
 (総じて、新エネルギーは抜本的対策として置き換わるものではなく、適材適所で補助的に使うものである。)
 京都議定書の精神は、良いが現実的ではない。日本は枠にはめると出来るという思いこみがあり、また京都という名前にだまされてしまった。これが別の名前の議定書なら調印しなかった。
 米の参加は現段階では無理だが、政権が変わればどうなるかわからない。
 次期(2012年以後)は原子力が現実的に必要。
 私見では、フランス並みに原子力を増やして欲しい。高速増殖炉バイオマスにおける農業政策との協調、交通機関の電動化、燃料電池の実用化(触媒の非金属化が課題)が必要である。
 (このあたりから、時間が厳しくなり、説明が短くなる)
 プルサーマルは、数千年持つ。ナトリウムの使用で技術的に困難である。
 原子力発電所の耐震性はかなりある。
 柏崎は、国際原子力事象評価尺度INESでも最低の危険度評価だった。
 原子力はそもそも耐震要求を超える余裕を持って造られている。
 地震があるから危ないという意見には、大丈夫だとおもうが不確実性がある。
 最後に、これだけを言って終わりにします。科学的実証(Science)は早く出来るが、技術(Technology)の確立には長期間かかる。先見の明と早期取り組みが重要である。



 特別講演「ロボットベンチャーで未来を拓く」ヴィストン株式会社代表取締役大和信夫氏の要旨(1405時から1455時まで)
 ・ロボット技術の概要
 世界で稼働しているロボットの40%が日本にある。
 米では1970年代労働紛争があり、ロボットは職を奪うものだった。
 日本は高度経済成長で猫の手も借りたい状況であった。
 また、欧米圏はロボットに対する好意的意識が無く、日本の意識との違いも大きい。
 だが、そのような日本のロボット優位が未来も続くとは限らない。


 ・ロボカップについて
 日本の優位が揺らいでいる。
 4足、シミュレーション部門の成績が悪い。もの作りの要素がないので、日本向け(日本の得意とする分野)ではない。
 ものづくりの要素が、勝敗に影響する分野は強い。
 しかし、今日のロボカップは運用や作戦も重要になり、性能(ハード)ではなく、ソフトに重点が置かれるようになってきている。性能の差は各国であまりない。
 

 ・ロボット市場予測(2000年)より
 市場規模としてかなりのもの(9兆円規模)が予想されたが、現在1兆円にも満たない規模である。この手の予測は発表されるたびに下方修正される。
 

 ・なぜ規模が小さいのか
 産業用ロボットは、金を生むロボットである。有ればあるほど良い。
 生活支援用は、重労働の代わり、自由時間を作る。
 生活支援用は、複合的(マルチタスク)が出来ず、人間に追いついていない。
 掃除ロボットを買ったとしても、掃除機は捨てない。新規ではなく、追加的なものである。
 

 ・映画アンドリューNDR114より
 お金を生む生活支援ロボットなら、拡大の可能性がある。
 お金を節約するというロボットも同様であろう。
 情報収集し、お金の運用を行うなど


 ・技術的課題
 安全基準、恐怖感、本質的にロボットは金属で出来ているという恐怖。
 人間サイズのロボットの置き場、ただでさえ狭いのに邪魔、冷却機構の騒音、廃熱処理
 ロボットに家事をさせることが、夫婦間の愛情の消失であると考える人も


 ・市場の推移
 警備・救難・医療が最も求められている分野だが、最も難しい分野である。


 ・ロボットだからできること
 人に優しいインターフェイス、音声入力やペン入力によるキーボードなどからの解放
 情報の数値化(ロボットはセンサーがたくさんある)環境(気温、気圧など)情報の収集
 情報格差を減らせる可能性がある。
 知識の拡散に役立つ。BLOGは若年層だけが書いて、見る。高齢者層がインターネットに簡単にアクセスするツールとしてみる。
 ロボットは、ICT(情報通信技術)の究極のツールと言える。


 ・ロボットが1家に1台有ると仮定した未来
 全世帯が気象観測所
 デジタルアーカイブになる。セキュリティの向上
 安心・安全・環境につながる。

 (この辺りで時間がほとんど無くなる。)
 ・起業家として
 何でも思うことから始まります。


 ・ロボットデモ
 ロボカップのデモが行われた。


 
 パネルディスカッション「技術立国・我が国の産業を支えるエネルギーと環境問題の現状」(1507時から1623時まで)
 パネリスト:宮崎慶次氏(前掲)、大和信夫氏(前掲)、西村秀夫氏(金沢工業大学教育学部教授)、佐藤純一君(金沢工業大学工学部機械工学科4年)
 コーディネーター:堀喜代治(北國新聞社論説委員会論説副主幹)


 堀氏:現在の取り組みを中心に、自己紹介を。
 宮崎氏:日立造船から原子力船を造ることになり、原子力を始めた。科学技術の普及と原子力の発展が生涯の目標である。
 大和氏:家業の倒産がきっかけで経営者になった。不動産の会社で技術職以外の視点を身につけた。大学と共同で会社を作った。ものづくり視点で話す役目を持っています。
 西村氏:文系の出身で、技術には強くないのですが、技術と社会の関係を考えています。
 佐藤君:夢考房でエコランカーを造った。学生の立場と内燃機関から考える環境を話します。
 堀氏:あまり喋らない方がいいと思うが、政治・行政中心で論説してきた。
 
 堀氏:まず環境についての意見を学生から述べてもらおうと思います。
 佐藤君:エコランカープロジェクトの経験から意見を発表します。
 2010年には、車は10億台に達し、化石燃料の枯渇がある。
 それらの背景からエコランの必要性がある。エコランはエネルギーの有効活用、技術者の育成、自動車文化・省エネ意識の向上に役立っている。
 エコランの歴史は1939年から遊びとして始まり、1981年(メモミスの可能性あり)に日本に来た。現在世界で2000チームある。
 エコランプロジェクトの活動は、車両開発、エンジン、エンジン制御系を行った。
 エコランカーの燃費は、2000km/Lだが、実用性は完全に無視していることからこれだけの長距離が達成できる。
 しかし、エコランの動きはハイブリッドに似ている。エンジンは高負荷のみ、低負荷時は発電する。最後はモーターを使う。エンジンの燃費の良い領域を使う。
 エコラン活動の視点から、小型燃費車の必要性がある。だが、ハイブリッドが現実的な選択である。また、生産過程の環境配慮も求められる。

 堀氏:では続いて、学校の取り組みについて紹介していただきます。
 西村氏:本学の取り組みとして、外から見えるところから紹介したい。
 (コンクリートの再利用、生分解性プラスチック、モーターの電磁機交換効率の向上の各研究を紹介される)
 エネルギー・環境は工学の重要課題。本学では技術者入門や科学技術者倫理等で教育している。技術者は社会に対して有形無形の影響を与える。
 最近の学生の意識は、省エネなど関心が高いが、深い部分には考察が届いていない。
 
 堀氏:以上を踏まえて、エネルギーと教育についても含めて宮崎氏に意見を聞きます。(のような発言だったと思う)
 宮崎氏:エネルギーは、ジレンマではなく、トリレンマである。化石燃料があるうちに次の対応をすることが大事である。量的評価を行うと原子力に頼る以外に無い。幾ら努力しても熱力学の第二法則を超えることは出来ない。物理法則を超えることは出来ない。
 研究において倫理は大切である。データ絶対にごまかすなと言ってきた。消した場合なぜ消したかきちんと理由が必要である。また、技術の継承に空白があることは許されない。米国のGEは30年間原発を造ったことが無く、台湾で発注を受けたとき散々な結果になった。確実に伝承しなければならない。

 堀氏:では大和氏に日本のもの作りの強さについて聞きたいと思います。
 大和氏:日本には四季があり、厳しい環境がある。これが知恵を生む背景になっている。また、逼迫した状況陥った経験が諸外国と比べて無く、人が良く感受性が高い。これらが、日本人の背景にあるのではないかと思います。

 堀氏:宮崎氏は職業訓練大学校の校長でも有られたのですが、人材の育成について特に意見をお願いします。
 宮崎氏:独創性、根気、勉強に対するやる気などがあるが、最も大切なのは協調性である。要するに、1人で仕事をすることは(世の中で)少ない。また、専門性にこだわるのも危ない。専門じゃないといって避けるのではなく、何でも全力で取り組む姿勢が必要である。
 もう一つぐらい言おうと思っていましたが、失念しました。

 堀氏:経営者として大和氏は人材育成と技術者についてどう考えですか
 大和氏:うちのばあい、採用試験は作文だけ。知識上にコミュニケーション能力が必要である。えたいのしれないひとが多い。信念を持っている人も良い。信念が有れば勝手に道を切り開いていく。もちろん、専門性と人間性の両立が必要。特に学生が居るので伝えたいが、起業家にはストレス耐性が必要である。鈍感力という言葉があるが、経営者は鈍感であってはだめである。

 堀氏:では大学での取り組みを紹介してもらいたいと思います。
 西村氏:本学の建学綱領は、人間形成・技術革新・産学協同です。現代では、夢考房がこの役目を果たしている。
 (その他本学の教育システムに関する説明だが、そもそも筆者が本学の学生なので聞いたことがある内容であり、また時間が押しており説明が早くメモは散発的であった。)
 本学の取り組みとして、アクロノールプログラムやカリキュラム全体を通しての技術者教育が行われています。

 堀氏:では再び学生の立場から、今後技術をどう生かすべきか発表してもらいます。
 佐藤君:エコランの実用性の考慮やアーバンクラスの開発がある。(実際はプレゼンがあったが、要点は以上2点であった。)

 堀氏:大和氏、学生に伝えたいことがありますか
 大和氏:学生はお客であるが、会社には入れば違う。学生の内に実社会での経験を増やして欲しい。社会に出てからは信念を持ってがんばって欲しい。

 堀氏:工大の教授として、学生に期待することはありますか
 西村氏:柏崎の事件は冷静に見るとそれほど重大な出来事ではなかった。だが、地域住民や風評は大きなものがあった。この様な事例が、安全安心と技術との関係で重要である。その点を理解して欲しい。

 堀氏:それでは時間が大分押しているので、この辺りで終わりたいと思います。

 


 開会挨拶についての私見
 青山氏の使われた表現の中で、エネルギーと環境の立体的解決は格好良いので、筆者も使いたい。本フォーラムが題するように今ではエネルギーと環境を共に考えることが必要だという認識ができていることを理解した。

 
 基調講演についての私見
 まず、レポートが課されていること配慮する発言に一人笑わせていただいた。基調講演は、45分の時間で行われたのだが、明らかに時間が少ない。次に行われた特別講演は本フォーラムの趣旨に反するものであり、全く関係がないと言って良い内容だった。そうであれば、基調講演を90分行った方が、本フォーラムとして、または主催者の中部経済産業局としても有益ではなかったのかと思わずにいられない。
 原子力の専門家であり、生涯原子力の発展を目指す宮崎氏は、原子力推進論を述べられたが、全く妥当である。本日から筆者も全力で原子力推進の姿勢を取りたい。兼ねてから気づくところもあったが、新エネルギーと呼ばれる太陽光、風力は、経済的にも発電量的にも旧来の方式に対抗できるものではなく、現実的に環境問題、特に温室効果ガスの削減を目指すなら、原子力発電への大幅な比率拡大以外に方策はない。
 IPCC国連、世界各国で環境問題への関心が高まっているが、現実的にこれを抜本的に解決が目に見えて進んでいるようには全く感じ取れない。それは、環境問題といえども、物理世界にある問題は本質的に空想的、理想的手法では解決できず、限界がある。環境問題への関心が高まったことが今日の成果であって、環境問題の解決が今日の成果ではない。
 割愛部分の中で、これだけは触れたいとして説明された柏崎の現状については、報道各機関にだまされたことに気づいた。この点、大帝国でも検討が行われたが報道の在り方について再び思いを寄せるところになった。
 講演内容は初めから最後まで参考になる内容で、後半部分が時間の都合で割愛が行われたのは、本フォーラムにおける最大の損失である。宮崎氏には今後も科学の発展と技術の伝承に尽力していただきたい。
 

 特別講演についての私見
 第一にこの特別講義は、大和氏が言うように、全く環境とエネルギーに関係がなかった。この点はまず指摘しなければならない事実である。ロボットベンチャーと環境の接点が、内容からもそもそも主題からも全く見られなかったと断言できる。なぜ、主催者がこのテーマを本フォーラムの中で取り上げたのか全く理解できないのだが、理解する方法がある。
 後から聞いたのだが、本フォーラムでレポートを課されたひとは機械工学科のロボティクス学科の来年度研究室配属予定の学生であった。どうもこの辺りに利用された感がある。大和氏がいうように、ものづくりの視点であれば、特別講義の価値は十分にあった。ただ、本フォーラムのエネルギーと環境の立体的解決に全く関係なかった。
 第二、ロボットの第一人者としての意見や視点は大いに参考になった。新規ではなく追加的であることや、金を生まないから売れないなど現実を知る人しか判らない内容であった。この点を考えると、別のフォーラムや機会であれば、特にロボット技術の未来などと題目であれば、不満が生まれる余地はない。
 最後に、本フォーラムには絶対に場違いな内容であったことを再び確認する。

 パネルディスカッションについての私見
 パネルディスカッションも特別講演の如く、エネルギーと環境の立体的解決ではなく、「我が国のものづくりとその未来への提言」のディスカッションであった。なぜ、本フォーラムでこのような内容になってしまったのかが残念で仕方ないのだが、パネルディスカッションの運用が参考になったので、差し引きゼロの評価が結論である。
 パネルディスカッションには初めて参加し、順に問題点や現状、対策、未来などをそれぞれのパネリストが語る方式に感動した。これはうまくいけば非常におもしろい。個人的に、大帝国的に大いに参考になる事例であった。
 内容的にも、本フォーラムの趣旨とずれるものであったが、各論客の質が極めて高いので、趣旨と異なっても内容は聞くべき内容であった。ここでも柏崎原発の事例が取り上げられたが、時間的都合で端折った部分があり、改めて残念と言わざるを得ない部分であった。
 総合的に、本フォーラムの趣旨や題目と一致していないところが不満であるが、パネルディスカッションの手法や内容がよかった。

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