映像の世紀 第3集それはマンハッタンから始まった

 大衆社会のルーツを追う第3集。アメリカ中心の内容である。始まりは第一次世界大戦終結によって帰還する兵士たちの凱旋パレード。まるでお祭りである。黒人部隊も帰還しジャズを演奏して有名と成った部隊なども迎え入れられた。しかし、根本的な偏見は解決していなかった。黒人はハーレムに住んだ。ハーレムは黒人が集まる街であった。ジャズ音楽はコットンクラブというクラブから広がっていった。マンハッタンでは、摩天楼が構築されていった。資本主義精神の形だという批判を受けたこの街は、20世紀社会を象徴する高層ビルのよって、狭い土地を有効利用する都市形態であった。
 欧州では戦後処理が始まろうとしていた。ベルサイユ会議の開催である。アメリカ大統領ウィソンの国際連盟の設置は議会承認がえられず、アメリカは参加せず結成された。アメリカは外交より経済発展をこの当時優先した。ドイツではハイパーインフレが発生。一兆マルクという単位が生まれた。後の昭和天皇もこの時期欧米を訪問し、日本の国力を世界に示した。
 アメリカでは古いモラルからの開放。ジャズの流行があった。これはラジオ放送が生まれたことが大きな要因のひとつである。ラジオは大衆文化を広めた。ジャズなどのモダンな流行を受け入れない世代は、今の時代と同じように、若い世代を批判しているのは面白い。大衆ヒーローはこの時代に生まれる。ベイブルースなどのスポーツ選手は大衆を沸かした。この時代、特に女性の開放がめまぐるしい。短いスカートの発生である。一方移民の人々は安い賃金で地下鉄工事など劣悪な環境で労働をしていた。このような労働力が影でアメリカの反映を支えていたのは事実である。

 大衆化は、様々な快楽をもたらしたが、不安定な事態ももたらした。暴動が発生し、労働者の過激な運動が行われた。さらに共産主義の強烈な弾圧が始まった。共産主義者ソ連に追放された。KKKが生まれた。KKKの服装は異様で不気味であるが、個人的には気にって居る。KDDIの某CMに似ている。できれば入手したいが、この手の衣装はそう簡単に手に入るものではない。大衆による大衆の他の存在に対する排他主義が絶大を極めていた。移民であるから、無政府主義者であるという不当逮捕によって死刑が行われた出来事から、世界はアメリカに対して大きな批判が当てる。
 禁酒法1920年に施行されたアメリカの法律である。酒と言う存在が社会を腐敗させている。思考を混乱させる存在であるという主張からである。しかし、この法律はざる法律であった。ほとんどが即日釈放された。さらにほとんど規制は行われなかった。密造も盛んになった。密造酒は危険なものが多く、死者が出た。もぐり酒場や密造は犯罪組織への資金提供の元になり、殺人などの犯罪が増加。都市の暗部を生み出した。

 1923年日本は関東大震災に襲われる。そのときの映像も残っていた。朝鮮人が暴動を起こすと言うデマのもと、多数の朝鮮人が殺害された。ロシアでは24年にレーニンが死去。スターリンが台頭する。ドイツではヒトラーが支持を拡大。イタリアではムッソリーニの独裁体制が生まれたいった。
 1920年代後半、大衆はラジオ、新聞などを通して多くの情報を入手できる時代となっていた。大衆は株式に興味を持っていった。大衆は周囲の好景気と豊かさから株の下落に不安を持つ人は居なかった。だが、実態がない信用による貸し借りで、バブルが形成されていった。通信販売や電化製品が生まれ、女性の自由度が向上していった。都市部では豊かな状態であったが、農村は悲惨な状態であった。戦争による増産で土地は荒れ、農民が土地を捨て、都市に移動した。
 ぼんやりとした不安、昭和。上海は列強の疎開地となっていた。上海での騒乱を元に列強は介入を進めた。帝都東京では昭和天皇の即位が行われる。モダンなアメリカ式の髪型がはやり、地下鉄も生まれた。満州では、すでに23万人の日本人が移住しており、関東軍が治安を維持していた。資源が豊富な満州を生命線とする国家政策が進められていた。芥川龍之介の姿も紹介される。生き生きと父親をしている龍之介が入るが、ぼんやりとした不安と言う言葉を残し、36歳で自殺した。
 1929年10月24日木曜日。アメリカが破綻した。世界恐慌の発生によって1920年代の終わりは最悪の終わりを見せる。世界は恐慌から抜けるべくファシズムへ主義を移行さえていった。そうして、再び戦争が起こる。

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