劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 (通常版) [DVD]

 

 31日にBS-iにて放映。
 鋼の錬金術師は、アニメも1話か3話を4.5分程度しか視聴したことが無く、「等価交換」と体を失った錬金術師兄弟の物語以上の認識は無い。31日朝偶然放映が予定されていることを知り、早く起きていた筆者は、視聴を決心した。
 プロローグの後、現実世界と魔法世界で兄弟が別々に行動し、弟に関しては肉体を取り戻した設定がどのような流れから起こったのか全く分からなかったが、視聴後の情報収集で概ね理解できた。また、収集せずとも視聴中に思慮深い人であれば、想像することが出来るだろう。
 筆者としては、錬金術を使ったアクションを期待していたが、20世紀初頭の科学技術に関連する内容が中心で、未来的・宇宙人的な演出が皆無だったことが残念であった。そもそも原作自体もそれほど高度な科学技術を取り扱っておらず、異世界人的な演出が中心であった。この古典科学(ニュートン力学)の舞台設定が、そもそも本編に筆者を魅了するモノが無かった原因の1つと考えられる。
 さて、ストーリーだが、結局バッドエンドと思われる内容になっている。推定だが、本作は完結編ではなく、再び魔法世界に戻るストーリーが用意されるはずである。それこそが、視聴者が求める内容ではないだろうか。少なくとも筆者は、兄弟が現実世界に取り残された結果になったことは、問題の多い結末であると断言せざるを得ない。
 作画、音響など本質と関係ない部分は、良好であり、さすが近年制作された映画だけはある。この点だけ比較すれば、ゲド戦記にも比較するのが失礼なぐらい勝っている。
 とはいっても、ストーリーが現実世界、魔法世界と動き、安定性のない構成であり、それほどおもしろい映画ではなかったが、率直な感想になる。

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