新世紀エヴァンゲリオン 第六話 決戦、第三新東京市

 序盤の優秀な話の一つとしてまず数えられるのが、決戦、第3新東京市である。軽快な音楽とともにテンポ良く進んでゆくこのストーリは実に心地が良い話である。また、本部施設への攻撃というSFアニメで絶対に必要な要素をも同時に内包しているという素晴らしい内容である。
 前回攻撃を受けた初号機の撤退からこの話は始まる。そして、作戦部部長葛城ミサトを中心にした展開が始まる。敵分析のためにダミーを投入したり、防御力算定のために独12式自走臼砲を持ち出す。そして、本部への直接攻撃まで12時間と刻々と迫ってゆく時間の説明、冬月先生や碇司令への作戦許可、戦略自衛隊研究兵器の接収、本部内での組み立てと防御対策の説明、大規模な日本停電作戦など素晴らしいとしか言いようが無い流れである。
 このアニメ全体で使われる文字効果もこの話では特に多い。特撮を強く意識している。さながらゴジラ映画を見ているようである。文字効果は台詞ではなく、字幕という別の表現で我々に訴えてくる。素晴らしい。
 さらに陽電子砲という今までのSF作品では無かった種類の粒子兵器を持ち出し、解説する風景そして、攻撃の描写は高い完成度である。ただし、陽電子など粒子の類を空気中で発射することはまずい。空気中の陽子と対消滅して現実的には意味が無いからである。出来れば、レーザー、光子を使った兵器にしてほしかった。しかし、陽電子ポジトロンスナイパーライフルがあたえるものは大きい。
 最後はレイの笑顔で締めるなど、レイ編としての十分な役割もこのテンポよい構成の中で果たし終わっている素晴らしい話である。

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