映像の世紀 第2集大量殺戮の完成

 20世紀の戦争と言えば、第一次世界大戦第二次世界大戦がその規模から20世紀の代名詞的戦争と言える。第2集は第一次世界大戦に焦点を置いた内容である。第一次大戦は、その全容が記録された戦争である。ドイツの徴兵では、ヒトラーの姿が。イギリスの徴兵では、徴兵制度がないイギリスで募集が行われ、軽い気分で友達で構成された友達部隊や職場仲間で構成された部隊が生まれた。ドイツ兵士もイギリス兵氏もそして、多くの第一次大戦の参加者はこう思っていた、クリスマスまでには帰れる。(開戦はサラエボ事件6月28日)
 だが、第一大戦は新兵器の登場など様々な要因が重なり、泥沼化する。当時の戦法はナポレオン戦法。大砲での砲撃の後、騎兵や歩兵が突撃する。それにより一挙決戦し、終結するものである。だが、この戦法は機関銃の登場で大きく変わった。一個機関銃は1個中隊の戦力になった。新しい戦法に登場により、布でできた兜は鉄のヘルメットに変わった。
 ドイツとロシアが対峙した東部戦線。ドイツとイギリス、フランスが対峙した西部戦線。どちらでも膠着状態となっていた。各国は植民地から兵士を呼び戦力増強を図る。その数は300万を超えた。第一次大戦は総力戦である。フランスではタクシーの車両。イギリスは2階立てバスを動員した。砲弾生産も追いつかず、女性の参加が始まった。戦後の女性進出のきっかけとなった。また、空爆も行われた。灯火管制も行われ、疎開が始まる。
 そして、戦場で機関銃に対抗すべく新しい戦法が生まれる。塹壕戦である。塹壕は持久戦で使われる。第一次インドシナ戦争時ヴォーグエンサップ将軍もこの作戦でフランス軍を撃退した。塹壕は敵の裏を書くために伸びていった。塹壕は北海まで延びた。塹壕は衛生環境が悪く、足に病を患う人が出た。また、精神的な病も発生した。記録は、戦争の悲惨さを残す物となっていった。戦場カメラマンは砲弾で死に、兵士が死ぬ瞬間を写した映像や死体を運ぶ映像が撮影された。

 大戦の主戦場であるヨーロッパ以外でも出来事が起こっていた。パレスチナでのアラビアのロレンス。インド独立指導者ガンディーなどの動きが紹介される。さらに、死の商人といわれたアメリカ。欧州の衰退に反しアメリカは国力を増大していく。このとき日本は大正。大正天皇即位式大礼の儀。ドイツへの宣戦を布告した日本の動きが映される。日本はアメリカと同じく戦争で特需を得る。紡績の輸出は4倍に羽があり、造船も繁盛し、成金が生まれた。

 膠着した戦線では、更なる新兵器の投入が行われようとしていた。毒ガスである。各国は秘密裏に研究を行っており、その試験映像が残る。それに対抗するガスマスクの開発風景などは面白い。カモフラージュなどの迷彩の発明、フランスが発明した一人用突撃兵器は笑える。戦争とは、そういう行為を見るとばかげたものであると見れる。これは、ヤンウェンリーの台詞である。イギリスは戦車を開発。塹壕戦の流れを変える兵器であった。機関銃の攻撃から防御でき、塹壕をするりと乗り越え、兵士を踏み潰す鉄の塊。これを見て、各国は戦車の開発を急務とする。色々と戦車が紹介される。アメリカのフォードの戦車が技術を生かした内容で素晴らしい。ベンツやロールスロイスも開発を行った。さらに、飛行機も登場。目視による爆撃、改良された爆撃機と進化していく。さらに対空武装が装備され、ドックファイトも始まる。カールグスタフ級の列車砲の動きが見れるのも最近のミサイル戦争と異なる。
 野戦病院の映像やドイツ兵の回想は中々グロテスクで見る人は注意したほうがよい。足に腕を入れて治療したり、死体が腐ってく描写。さらに戦争で精神を病みシェルショック。ここら辺は、少々刺激が強い。

 海戦へ流れが変わる。Uボートの登場である。海戦で敗北したドイツは巻き返しとして潜水艦を投入。無差別攻撃を開始した。だが、これがドイツの敗北の流れを作る。アメリカの船を撃沈し、参戦する要因を作ってしまう。潜水艦は絶大な威力を発揮し、ドイツでは敵国の補給船を破壊、イギリスは海上封鎖でドイツへの補給を絶った。これにより、飢えが深刻な問題となっていった。

 ロシアは工業生産が弱く、食料の配給に不満が強かった。ついに爆発し2月革命が発生する。王朝は抑圧として市民を攻撃。市民は反抗。こうしてロマノフ王朝は崩れた。さらに10月革命によってロシアの戦線離脱した。10月革命でレーニンが生まれた。レーニンは世界初の社会主義国家を建国。それに反して世界各国は出兵。日本は有名なシベリア出兵を行った。
 その後、ついにアメリカが参戦。戦争資金を貸したイギリスやフランスが倒れると返済が行われない。それを危惧してである。選抜徴兵で10万から一気に400万に兵力を増強し、黒人部隊の編成、戦費調達のための国債キャンペーンなどが行われた。そしてこの時に初めてアメリカは国外での大規模派兵を行った。アメリカの参戦は戦争を決定的なものとした。アメリカは豊富な国力を元に無線機や塹壕掘削機械などを投入。ドイツ軍は決定的な打撃を受けた。ドイツでは、それを元に革命が起こり、ヴィルヘルム2世は退位する。紹介されたヒトラーの回顧「我が闘争」は中々面白い。近いうちに読書したくなった。
 こうして、ドイツ敗北で第一世界大戦は終結する。人類が経験した始めての総力戦。死者は500万人を超えた。オートリアハンガリー帝国は滅び、ロマノフ王朝も崩壊した。世界システムは大きく変革した。

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